なぜバンコクに?

偶然だね。ほんとに。

俺が身を置いてる業界は比較的海外に行きやすいというか、各国で汎用性があるっていう特徴があるのね。まあ財務とか会計とか税務とかそっち方面。金にまつわるエトセトラ。学生時代はそっち方面毛嫌いしてたんだけど(銀行員とか証券マンとか、金を扱う人間にって汚く見えない?)、ふとしたきっかけで興味が持てて就職。詳しくはいつか気が向いたら書く。

その業界内でもとくにうちの会社は海外志向が強い。海外に行きたいからこの会社を選びましたって人もいるようなとこ。俺は別にそういう志向はなかったけど、まあせっかくそういう会社にいるんだから機会があれば行ってみたいなーくらいには思ってた。でも建前上は「海外行きたいです!」って言ってた。(「別にこのまま日本でいいです」って奴よりヤル気あるように見えるじゃない?)

ヤル気があるように見えるってのは大事なことで、実力とは関係ないところで偉い人たちの見方が変わるように思う。「海外行きたいんだろ?タイだったら今行けるけどどうだ」ってある日いきなり話が来たからね。白人社会より東南アジアがよかったから飛びついた。1日時間もらって家族会議。面白そうだからって行くことにした。子供は離乳食が終わったくらいかな。

よくよく話を聞いてみると、今までこんな若い人間をタイに駐在させたことはないらしんだな。既に数名駐在してるんだけど、全員40代。どの人の後任でもなく、何ができるかも分からない青年がいきなり来た、って感じだったらしい。何しに来たのか?何ができるのか?を模索し、説明する日々が続いた。いやあんたらの誰かが呼んだんじゃないのか?聞いても誰もYesと言わない。大丈夫かこの会社。

それでも何だかんだでバカではなさそうだと思ってもらえたのか、徐々に身の置き場が定まっていった。思い返すと、誰が呼んだか分からない、その曖昧な責任の所在のおかげでタイに来れた気がする。

そういう偶然で、タイにいます。