30歳からの身体作り(1)

バンコクに来てから、不定期ではあるもののジムで筋トレをしています。住んでいるコンドミニアムにジムが付いていることと、何かあったときに自分や家族を守らなくてはならないと思うことが動機になっています。

これは綺麗ごとではなく、危機感です。

タクシーに乗るとき、夜道を歩くとき、いつ何時、何が起こるか予測できません。予測とは経験から生まれるものです。バンコクに住んで1年少々の自分には、予測に十分な経験値がありません。

バンコクに暮らしていると、筋骨隆々の白人・黒人や、工事現場やコンビニにたむろしている労働者とすれ違います。彼らが今襲い掛かってきたら。娘の腕を掴んだら。身構えながらすれ違った後に、有事の際に自分の肉体は果たして機能するのだろうか、という暗い考えが後頭部に残ります。

私は日本人と比較しても、「どちらかといえば運動していない」部類に入ると思います。現在も、過去からの累計でもそうです。高校入学以来、まともに運動していません。身長175㎝に対して体重は50㎏台前半。いわゆる「やせすぎ」でずっと来ています。「やせすぎ」というのは「軟弱すぎ」と同義です。

ジムにあるのはダンベル、ベンチ、ケーブルマシン、トレッドミル、クロストレーナーです。そんなとき、このエントリーが目に止まりました。

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「強いからだをつくる」という点と、簡潔明瞭な語り口に魅かれ、今に至るまでこのページに書かれていることをつまみ食いしながら続けています。マン・メイカーが最高にきつい。片方20lb(≒9kg)×10回×3セットを目標に始めると、3セット目の途中で力尽きます。スクワット、ランジ、デッドリフト、ベンチプレスあたりは30lb(≒13.6kg)×10回×3セットがなんとかできるレベルになってきました。自信もだいぶつきました。

 

今気になっているのは、体重がほとんど変わらないということです。前より重いものが持ち上げられるようになったのにも関わらず、です。体格も好意的に見て少し筋肉質になったかなという程度で、相変わらずあばら骨は浮いているし、あまり強そうに見えません。「強そうに見える」ということは重要です。冒頭に挙げたような「有事」は、「強そうに見える」ことによって発生リスクが下がるからです。恐らく肉体的には好ましい変化を遂げているのですが、貪欲な私は満足しません。

そこで今意識しているのが食事です。

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身体作りに大事なのはまず食事、次に運動、そして睡眠だそうです。摂取カロリー>消費カロリーでない限り身体は大きくならないということです。だったらまず食事から考えなければならないのですが、何となく、食べるものを変えただけで身体が大きくなっても自信には繋がらない気がしたので、まず運動から始めた次第です。

まだ試行錯誤中なので、エントリーを別にして書こうと思います。

 

新しい職場で気分よく働く方法

自分にとってタイの職場は全くの新天地といっていい。生活するのすらストレスがかかる中で、なるべく気分よく過ごすことは日本にいるときより切実だと思ってる。そんな中で心がけていることが3つある。

 

1.自分から動く(=期待しない)

2.まず解決する(=原因分析は後回し)

3.笑顔

 

1.自分から動く(=期待しない)

とにかくヤバそうな案件は自分から頭を突っ込んだ方が後々ダメージが少なくて済む。「突っ込まなかったらどうだったか」は分からないから、比較することはできないけど。いわゆる炎上案件は「あの時もっと自分から突っ込んでおけばよかったなー」と思うことが多い。逆に、覚悟を決めて頭を突っ込んだ案件が、目も当てられないくらい炎上した記憶はない。「これだけ頭を突っ込んだんだから、もし突っ込まなかったらもっとひどいことになっていたに違いない。だから俺は悪くない」と思ってるだけかもしれないけど、そう思えることが精神衛生上は極めて大切だと思う。

 

2.まず解決する(=原因分析は後回し)

職場にもお客さんにもたまにいるんだけど。「なんでこうなっちゃったの?」っていう人。あれは個人的にも嫌いだし、タイ人も多分嫌い。「そんなことより今どうするか考えようぜ」っていうのがまっとうな思考だと思う。反省会はひと段落してからでいい。

 

3.笑顔

"Don't be serious !" 超シビアな会話した後にタイ人に言われた一言。結構衝撃だったね。言われた直後は「こんなシビアな話してんだからシリアスにもなるわボケ!」と思ったし口に出かかったけど、まあ確かに別に過度にシリアスになる必要もないかな、と今は思う。楽しく働けたらそれが一番だよねってのはその通りだし、大事にしなきゃいけない価値観だと思う。日本にいる時はこんな発想なかったけど(仕事はきつくて大変なもの)、ある種の呪いにかかっていたんだなと気づかせてくれた一言。

 

社長が頭を下げるということ

職種上、年上や役職が上の方と接することが多い。ほとんど課長レベル(30代後半~40代)、ときどき部長(40代後半~50代)、まれに社長(50代~)。役職が上がるにつれて、形式的な接し方が多い。ただ挨拶するだけとか、大事な会議だから一応出席だけはするとか。

今までで一度だけ、その社長とガチで会議をする機会があった。現場(課長)レベルで問題がこじれにこじれ、部長をすっ飛ばして社長が出てくることになったのだ。問題の原因は9:1で先方にある。でも何せ社長だ。何を言われるかわかったもんじゃない。彼の頭の中では逆になっているかもしれない。0:10で怒られたらどうしよう。そのときは諦めるか。色んな上司に怒られるだろうけど、どうしようもない。

静かな諦観を抱いて会議室に入ると、開口一番、このたびはご迷惑をおかけしまして申し訳ない、と頭を下げられた。ああ、もう俺はこの人を助けてやるしかないな、と思った。怒られなくて安心、謝られて満悦、そういうんじゃなくて、彼の覚悟が、スッと自分に乗り移ってきた感じ。そういう重みが、あった。

 

タイのマクドナルドはハイクオリティ

タイでよく見るハンバーガーチェーンはマクドナルド、バーガーキング、ケンタッキー、モスバーガー。見かける順。モスバーガーは日本人居住区にしかないんじゃないかと思うくらい見かけないので、実質三つ巴戦。

日本にいるときの嗜好はモスバーガー=ケンタッキー>バーガーキング=マクドナルドだった。モスとケンタは場合による。バーガーキングはあんまり食べてないけど、マクドナルドと大差ない印象だった。

これがタイに来るとマクドナルド=モスバーガー>ケンタッキー=バーガーキングとなった。やはりモスはジャパンクオリティを売りにしているだけあって、おもに材料面での安心感、満足感が違う。そしてテリヤキバーガーの完成度が高い。

マクドナルドは期待していなかった分、コントラスト効果が働いているのかもしれないことは断りつつも、いつ食べてもポテトは揚げたてかそれに近い状態、何らかのプロモーションをやっていて安く食べれる、店員も割と気が利いている、そして肝心のハンバーガーも、写真と違いすぎることがない(え、メニューの写真と一緒じゃん??と驚く始末)。画像検索で分かってもらえると思う。Google

そういうわけで目下マクドナルド党に一票を投じる所存だけど、唯一の課題は発音がしづらくて英語で伝えるのが難しいことかな。ムクドゥーナル。マックとかマクドみたいな省略形ないんかしらん。

 

 

海外駐在員だけど日本にいたときより大幅に労働時間が減った

東南アジアに赴任するって言うと意識高い系な匂いがするんじゃないかな。エマージングかつハードな環境でエキサイティングな経験、的な。

俺も実際に赴任するまではそう思ってた。今でもそれが普通なんじゃないのかという疑問は常にあるし、自分もそうあるべきなんじゃないかという自問がある。でも現実はそうじゃない。そうじゃない現実を生きてる、俺は。朝7時に起きて30分で家を出、30分かけて会社に向かう。毎日子供が起きてる時間に帰り、風呂に入れてやり、寝かしつける。あとはYoutubeを見たり本を読んだりし、日付が変わる前に寝る。週末ももちろん家族と過ごす。クライアントや上司と飲み会やゴルフに行くのなんて月に一度あるかどうかだ。

仕事自体はそれなりにチャレンジングではあると思うよ。今の自分にとっては。日本にいたときの仕事を別方向に発展させた(根っこは繋がっているが全く別物と言ってもいい。ただし他の業界から見たら何が違うの?って聞かれる程度の差異でしかないとは思う)もので、今までの経験値は目に見える形では使えない。おまけにそれを英語でこなさなきゃならない。これはさぞかしキツイだろうな、と思ってた。

期待が裏切られた理由は3つある。1.周囲が思った以上に優しかったこと、2.英語(意思疎通)に思った以上に不自由しないこと、3.今までの経験が思った以上に効いていること。

1.はそのまま。もともと期待値が低かったらしく、俺にとってまだ全然無理できる遥か手前でタオルが投げられる。タオルを払いのけて(あるいは投げるなと叫んで)殴り合いを続けるような闘志はない。

2.TOEIC800未満、海外経験2週間で全く問題ない。タイ人エリート層もベラベラじゃないし、お互いにとって外国語で話すってことはこんなにいいものかと思ったよ。必ず歩み寄りの姿勢が生まれるからだろうね。本当はコミュニケーションってそういうもんだと思うけど、実際はそうじゃないじゃん。以心伝心とか暗黙の了解とか、海外はどうかしらんけど日本はそういう考え方があるしさ。だからむしろ日本人同士で会話するよりも話が通じる感覚があるよ。

3.ニッチ産業なので、もともとクライアントとの間に情報の非対称性が生じやすいんだけど、海外ってことが拍車をかけてる。日本だと専門部署を相手にするからクライアントもそれなりに知識を持ってて苦労するんだけど、海外だと専門部署を置くほどじゃなく、いろんな雑務の内の一分野だから。

そういうわけでまったり生活してる。

Peeとのランチ

黒字:自分

赤字:Pee(タイ人の友人)

会話は基本的に英語です。

 

今日はトムヤムラーメンが食べたい。知ってる?トムヤムラーメン
知らないわけないでしょw
どこで食える?
んーと、電車乗らないとだな
いや近くのフードコートにあるっしょ
あーそうかも。キット、アル。合ってる?
合ってる合ってる。センレック※が食べたいんだ ※細い米麺のこと。ツルシコでうまし。

キット、アル。ほら、あった。

ここセンレックなくね?あ、あるわ。これメニューごとに値段が2種類あるのは何が違うの?
えーと、麺の種類だな。センレックは安い方
OK。じゃあセンレックで、具はシーフード。
俺は豚肉にするわ。麺はラーメン※で。

 

(食べながら)
どう?
うまいよ。そっちは?
うーん・・・これ(豚肉)以外はおいしい。
いやそれが食いたくてそれにしたんじゃねーの?w
違うよ。
じゃあ何でそれにしたの?
うーん・・・#$%&’()”(タイ語で何か言ってる)
まあいいや
ある一部を除いて、概ね良いとか概ねおいしいとか言うとき、日本語で何て言う?
「ダイタイ」かな。Almost=ダイタイ。
コレハ、ダイタイオイシイ。
Correct。はーうまかった。
ナンデ、ハヤク、タベタ?
ハヤクナイ。
ハヤイ。
(めんどくせえな)辛かったからだよ。
辛い?カンケイナイ。
あるだろ。辛いと箸進まない?
んー・・・そんなことないと思うけど・・・
まじか。じゃあ文化の違いだわ。
そういう問題?

バンコクが東京より優れていると言い切れるただ1つのこと

多くのタイ駐在員の例にもれず、先週から今週にかけて日本に一時帰国してる。タイでは4月中旬に旧正月があるから。水かけ祭り、ソンクランと呼ばれる。

今回の日本滞在は1週間程度。特に帰りたかったわけではないが、子供が春休みだったり、タイでどこかに行く計画もなかったりで何となく帰ることにした。駐在してから一年弱で初めての帰国。

驚いたのは、帰ってきたなあ~~~っていう感慨が薄かったこと。俺は全然タイでタイらしい生活をしてないんじゃないかって逆に落ち込んだくらい。1日1食は和食だし、毎朝テレ東のWBSを見てるし、会社には日本人がいるし、町を歩いても必ず日本語を目にするし。そういう生活が俺を日本から遠ざけていないんだなっていう変な反省をしたよ。改める気はないけど。

タイに駐在や出張で来ている日本人と話すと、日本は「きれい」「食べ物がおいしい」「店員(や従業員、運転手とか)がちゃんとしてる」っていう対比を多く聞く。住・食・人の点での日本讃美。衣についてはタイに軍配が上がる。「一年中Tシャツなのはいいよね」と。

概ね同意だよ。食べ物は別にタイはタイでおいしいし、人っていう意味では俺はタイ人のこと結構好きだけど、日本がいいってのはまあ分かる。

でも今回決定的に、致命的にタイが優れている点を発見した。湿度だ。東京のドライっぷりは半端じゃない。東京砂漠っていう言葉は伊達じゃない(意味違うけど)。すぐに風邪ひいたし、それが他人にうつるし、肌はカサカサになった。寒いとか暑いとかじゃない、東京で自分が感じていた不快のうち、これが大きな原因だと確信したよ。寒いのが嫌だったんじゃない、乾燥が嫌だったんだ。