海外駐在員だけど日本にいたときより大幅に労働時間が減った

東南アジアに赴任するって言うと意識高い系な匂いがするんじゃないかな。エマージングかつハードな環境でエキサイティングな経験、的な。

俺も実際に赴任するまではそう思ってた。今でもそれが普通なんじゃないのかという疑問は常にあるし、自分もそうあるべきなんじゃないかという自問がある。でも現実はそうじゃない。そうじゃない現実を生きてる、俺は。朝7時に起きて30分で家を出、30分かけて会社に向かう。毎日子供が起きてる時間に帰り、風呂に入れてやり、寝かしつける。あとはYoutubeを見たり本を読んだりし、日付が変わる前に寝る。週末ももちろん家族と過ごす。クライアントや上司と飲み会やゴルフに行くのなんて月に一度あるかどうかだ。

仕事自体はそれなりにチャレンジングではあると思うよ。今の自分にとっては。日本にいたときの仕事を別方向に発展させた(根っこは繋がっているが全く別物と言ってもいい。ただし他の業界から見たら何が違うの?って聞かれる程度の差異でしかないとは思う)もので、今までの経験値は目に見える形では使えない。おまけにそれを英語でこなさなきゃならない。これはさぞかしキツイだろうな、と思ってた。

期待が裏切られた理由は3つある。1.周囲が思った以上に優しかったこと、2.英語(意思疎通)に思った以上に不自由しないこと、3.今までの経験が思った以上に効いていること。

1.はそのまま。もともと期待値が低かったらしく、俺にとってまだ全然無理できる遥か手前でタオルが投げられる。タオルを払いのけて(あるいは投げるなと叫んで)殴り合いを続けるような闘志はない。

2.TOEIC800未満、海外経験2週間で全く問題ない。タイ人エリート層もベラベラじゃないし、お互いにとって外国語で話すってことはこんなにいいものかと思ったよ。必ず歩み寄りの姿勢が生まれるからだろうね。本当はコミュニケーションってそういうもんだと思うけど、実際はそうじゃないじゃん。以心伝心とか暗黙の了解とか、海外はどうかしらんけど日本はそういう考え方があるしさ。だからむしろ日本人同士で会話するよりも話が通じる感覚があるよ。

3.ニッチ産業なので、もともとクライアントとの間に情報の非対称性が生じやすいんだけど、海外ってことが拍車をかけてる。日本だと専門部署を相手にするからクライアントもそれなりに知識を持ってて苦労するんだけど、海外だと専門部署を置くほどじゃなく、いろんな雑務の内の一分野だから。

そういうわけでまったり生活してる。