社長が頭を下げるということ

職種上、年上や役職が上の方と接することが多い。ほとんど課長レベル(30代後半~40代)、ときどき部長(40代後半~50代)、まれに社長(50代~)。役職が上がるにつれて、形式的な接し方が多い。ただ挨拶するだけとか、大事な会議だから一応出席だけはするとか。

今までで一度だけ、その社長とガチで会議をする機会があった。現場(課長)レベルで問題がこじれにこじれ、部長をすっ飛ばして社長が出てくることになったのだ。問題の原因は9:1で先方にある。でも何せ社長だ。何を言われるかわかったもんじゃない。彼の頭の中では逆になっているかもしれない。0:10で怒られたらどうしよう。そのときは諦めるか。色んな上司に怒られるだろうけど、どうしようもない。

静かな諦観を抱いて会議室に入ると、開口一番、このたびはご迷惑をおかけしまして申し訳ない、と頭を下げられた。ああ、もう俺はこの人を助けてやるしかないな、と思った。怒られなくて安心、謝られて満悦、そういうんじゃなくて、彼の覚悟が、スッと自分に乗り移ってきた感じ。そういう重みが、あった。