ヤードラット星から帰還するように

テレビをつけるとドラゴンボールZがやっていました。ついつい観てしまいます。やっていたのはナメック星編のエピローグかつ人造人間編のプロローグと言えばよいでしょうか、フリーザとその父コルド大王が地球にやってくるところでした。2人ともトランクスにさくっとやられ、ベジータ以下おなじみのメンバーで悟空を待ちます。

宇宙船ポッドから悟空が出てきて、みんなに迎えられるシーン、すごく好きなんですよね。その理由が、「偶然立ち寄ることになったヤードラット星というところの妙な恰好をしていて」「ヤードラット星人と仲良くなり」「その結果として瞬間移動という妙な術を会得した」という物語にあるんだなと気付きました。

ナメック星での死闘の後、危機一髪で星の爆発から脱出した悟空は、宇宙船にインプットされていた行先であるヤードラット星へ到着します。ヤードラット星人は「強くはないが妙な術を使う(ベジータ談)」種族で、悟空は彼らと仲良くなって瞬間移動という術を教えてもらいます。名前通り瞬時に移動するというだけの術で、その他のいわゆる「必殺技(かめはめ波、界王拳、スーパーサイヤ人など)」とは一線を画します。何しろただの移動術なのですから。そもそも普段の移動や戦闘でも超高速で動いている描写はしょっちゅうあるので、「超スピードでごまかしたにすぎん」とベジータが誤るのも無理はありません。しかしその後の物語を通してもこの術を使えるのは悟空だけで、地味ながらも色んなところで登場します。そのたびにヤードラット星のエピソードが思い出されるのです。

ヤードラット星の風景やヤードラット星人の外見は、漫画版では一切描かれません。アニメ版でもほんの少しだけ(1分くらい)です。そこで悟空がどんな苦労をしたのか、どういう暮らしをしていたのか、そんなことはどうでもいいのです。偶然を楽しみ、何かを得て帰ってくる、悟空はそういう男だということです。

僕も偶然タイに来ることなりました。タイ人と仲良くなり、同化し、役に立つかは分からないけど他の人が持っていない何かを得て帰りたいと思っています。今のところ、順調に同化は進んでいます。あとは何を得るかですが、むやみに焦らずいこうと思います。