(考察)神奈川の工事会社、4100万円脱税疑い 国税局が告発

朝日新聞に次のニュースがありました。

news.tv-asahi.co.jp

「八正建工神奈川西」と斉藤浩一代表取締役(56)は架空の外注加工費を計上する手口で、2012年と2015年の2年間に約1億4600万円の所得を隠し、4100万円余りを脱税した疑いが持たれています。

関係者によりますと、斉藤代表は同業者に嘘の請求書を作らせ(1)決済資金を振り込んだ(2)後に現金でキックバック(3)させていました。脱税した金は会社の事業資金などに充てていたということです。ANNの取材に対し、斉藤代表は「見解の相違もあったが、当局の指示に従い、修正申告をしました」などとコメントしています。

 

また、毎日新聞には以下の記載があります。

www.sankei.com

斉藤社長の口座に振り込ませ不正に得た資金は、斉藤社長からの貸付金(4)という形で同社の事業資金に充てていたという。

 

こういう流れですね。

f:id:centurybangkok:20180525174624p:plain

(2)の支払いを不正に税務上の損金にしているので、損金否認されたということでしょう。ここで2つの疑問が湧きます。

  1. 同業者は罰せられないのか?
  2. どうやってバレたのか?

 

 

1.同業者は罰せられないのか?

(2)を益金計上し、(3)を損金処理していれば税務上の影響はありません。ここで(3)を損金否認するとこのグルグル回っているお金に対して二重に課税することになるので、こちらには影響ないのでしょう。

 

2.どうやってバレたのか?

同業者のタレコミ・・・ただお金をスルーしているだけなので(請求書を作らされる手間はありますが)、よほど正義感がなければしないでしょう。

八正建工の税務申告書・・・12年と15年にだけ数千万円の損金が発生することになります。ググっても会社の規模がわかるような情報は出てきませんが、ストリートビューで見ても大きな会社ではなさそうですし、申告書上で目立った可能性はあります。

社長の口座入出金・・・この2年に数千万円のお金が入って出ていくという取引履歴があるわけで、これが決まり手になったのでしょう。