世界競争力ランキング タイと日本が逆転
スイスに本拠地のあるIMDというビジネススクールがあります。
IMDは、トップクラスのランキングを誇るビジネススクールです。
幹部教育(Executive Education)に特化した、世界的な専門チームです。
リーダーを育み、組織を変革し、即効性と持続性を伴うポジティブなインパクトを生み出します。
そこが毎年、世界競争力ランキング(World Competitiveness Ranking)というものを発表しています。
富の創出を担う企業セクター。
その活動に対して、各国は、どんな環境を提供できているのか
1989年以来、国の競争力に関する最も定評のある調査として、
活用されています。
詳細は英語のみ。
230以上の指標を用いてランキングしています。
指標は大きく4つ。
経済的なパフォーマンス、ビジネスの効率性、政府の効率性、インフラです。
前年1位のアメリカは3位に、3位だったシンガポールが1位に。
シンガポールが1位になったのは初めてとのこと。
労働市場の指標が効いてるということなので、優秀な人材がシンガポールには集まりやすいということなのでしょう。
タイが30位から25位へ、インドネシアが43位から32位へとジャンプアップ。
海外からの投資が好調なのは当然として、面白いのは「Business managers confidence」という指標が効いているというところ。
230以上の指標の中にはこのような「アンケート」としての指標も含まれています。
タイやインドネシアは未来に対して楽観的な見方をしているということでしょう。
対する日本は25位から30位へ陥落。
生産性、ビジネスの効率性がランキングを引き下げた主要因とのことです。
どちらも日本国内でも喧しく言われているところで、海外の機関が調査しても同じ結果が出るのだな・・・と思いました。
さて、ランキング好きな日本人ですから、この結果を受けて様々な媒体が記事を書いています。
こちらの記事では「それほど深刻に捉える必要はない、なぜなら指標にはアンケートのような主観的なものも含まれているから」「経営者が危機感を持っているという意味ではむしろ良いことだ」といった趣旨で書かれています。
私は全然そうは思いません。このランキングを設計するにあたっては、悲観的であるということはそれだけで競争力を殺ぐものだという考え方に立脚しているのですから、悲観的であってもそれは競争力にとってマイナスではないというのは詭弁です。
とはいえ日本人が悲観的であるのは間違いないと思います。
その意味ではディスアドバンテージを抱えているわけなので、それを前提条件として認識することがまずは必要なのでしょう。